2014-12-08

大衆演劇という文化


大衆演劇が観れる「松山劇場」のこと。

松山市駅から歩いて数分のところにある「松山劇場」は、大衆演劇ファンの聖地。
毎月全国を巡業している一座が来て、約1ヶ月間毎日ここで公演をしています。


一度来ると次に来るのは1年後かそれよりもっと先。
常連さんは好きな一座が来ることを心待ちにしていて、通い詰めるのだそう。


劇場の前では、終演後にお客さんを見送る役者の姿をよく見かけます。

お客さんが「今日も美しかったわよぉ~」とか、「前回より踊りが良かったわぁ~」なんて言いながら役者と握手する姿もここでは日常のこと。


私はそうした光景を横目に、なんとなくこの世界に足を踏み入れてはいけない気がしていたのですが、

ついに…

観てきました!!!!!

地元では、「まつげき」と呼ばれているそう。

客層の年齢は予想通り高めで女性が8割。常連さん(と思わしき人)がとっても多くて、まさに地域に根付いてるんだな~という印象。


客席は150席くらいありましたが、この日は「芝居の日」ということもあって、なんと満席。
「大入」が出ていました。(すごい!)

天井にはキラキラと輝くミラーボール。
仕込まれた数十個のスポットライトは、音楽とともにクラブ風にビカビカ光ったり、7色に輝いたり、それはそれは賑やかな効果を演出していました。


観劇中は飲食可なので、みんなお昼を食べながら、お菓子を食べながら、みかんを食べながら、時におしゃべりをしながら、お茶を飲んで観劇しています。しかも舞踊ショーの写真撮影もOK。

うーん、なんて自由なんだ!



演目も、舞踊から始まって、江戸の人情芝居、剣芸、演歌、サザンの曲に合わせたポップなダンス、ショートコント、聖子ちゃんの曲に合わせたドレスの舞い、そして女形の妖艶な舞いと、3時間ノンストップ。(休憩はありますが。)

もう、時代背景とジャンルを縦横無尽に駆け巡り過ぎ!!!
場面転換の速さについていくのがやっとでした。(笑)


ひと昔前の大衆演劇とはまた違って(特に今回は若い一座だったからかもしれませんが)、いわゆる何でもあり?のザ・エンターテイメント。

この魅力を言葉で表現するのは難しいけど、でも単純に面白い!


「何でもあり」なのだけれど、大衆演劇特有の世界観は、ミックスにミックスを重ねて出来あがった日本の混沌とした文化をどことなく象徴しているような気がしてなりませんでした。

大衆演劇って何なんだろう…、その答えを探すために来月また観に行こうと思います。
(足を踏み入れてしまいました。)


松山劇場
愛媛県松山市湊町3丁目1-9 マツゲキアトリウム6F
http://matsugeki.com/