2015-03-08

内子町の手漉き和紙


内子町の手漉き和紙工場を見学させていただきました。

内子町でつくられている和紙は「大洲和紙」と呼ばれています。
今回訪れたのは、大正初期に創業された天神産紙工場。


木造で趣きある建物が歴史の長さを物語っています。

この佇まい好きだなぁと思いながら、工場内に入れさせてもらうと、漉き場では女性2人が紙漉き作業を行っていました。


伊予手漉き和紙をつくる四国中央など(東予)では男性が紙漉きを行っていましたが、南予では女性が紙を漉く伝統があるのだそうです。


女性職人らしい、しなやかな漉き技術。

流れるような手さばきがとても美しかったので、時間を忘れてつい見入ってしまいました。


作業服でもある白いエプロンと三角巾を付けたこの方は、紙漉き歴なんと50年(!)という大ベテラン。それでも、「なかなか思うようにはいかないんよ」と、漉き上がった紙を見ながら静かな口調で話してくれました。


ベテラン職人の真摯な制作風景が、白い綿の三角巾と重なって、今も脳裏にしっかりと焼き付いています。

職人というだけでなく、ひとりの女性として、尊敬の眼差しで堅実な仕事ぶりを拝見させていただきました。今もこの写真を見るたびに、身の引き締まる思いがします。



●天神産紙工場
愛媛県喜多郡五十崎町大字平岡甲1240-1