松山にある「喫茶マリモ」のこと。
繁華街の二番町にあるこの喫茶店は外観が黒いスモークガラスで覆われていて、中の様子が全く見えません。だから一番最初に入った時は、ちょっとドキドキ。
今でも営業しているのかどうかは、ドア横に掛けられた「営業中」という札だけが頼りです。
でも店内に入って席に座ると、驚くほど居心地がいい店なのです。
席は、10人も掛ければいっぱいになってしまうコの字型のカウンターがひとつあるのみ。
カウンターの中にいるママの後ろにはレコードがずらりと並んでいて、心地いいジャズが店内に響き渡っています。今は亡きマスター(旦那さん)がジャズが好きで、たくさん集めたのだとか。その数なんと900枚!
壁にかかった、珈琲の漢字(あて字)が書かれたこの表も、マスターの手作り。
「昔はこんな外観だったんよ」と、ママが見せてくれたのは懐かしの貴重な写真。
今とはまたちょっと違った雰囲気の素敵な喫茶店だったことが分かります。
外観の丸い部分は、なんと船の「浮き」を嵌め込んでいるのだそう。
遊び心が万歳の設計です。
創業から今年で46年。
今も変わらず松山の人々に愛されている老舗喫茶店。
タイムスリップしたかのような感覚を味わうことができます。
忙しい時にこそ、ふらっと訪れたくなる喫茶店です。
●喫茶 マリモ
愛媛県松山市二番町2-6-10
日曜定休