2014-10-25

第52番札所「太山寺」のこと


四国遍路の第52番札所「太山寺(たいざんじ)」。松山市駅から車で約30分のところにあります。


ご本尊は十一面観音ですが、なんとこのお寺、十一面観音が7体も納められているのです。特殊な観音信仰を思わせます。

2014年は50年に一度という本尊ご開帳の年で、現在それらの秘仏を間近で拝観することができます。(~10月26日まで)

四国一の大きさを誇る本堂も見応えがありましたが、7体の十一面観音の温和な表情と美しい彫刻は本当に素晴らしかったです。平安時代のなかでも後期の作でしょうか。大きな厨子を3間に分け、左右に3体ずつ、中央にご本尊が佇む姿はまさに圧巻でした。


それにしてもこのお寺、ただならぬ雰囲気がします。
以前、愛媛県立美術館で開催されていた「四国へんろ」展の担当学芸員さんが言っていましたが、展覧会を機に行った調査では工芸品が400点、文書関係が1万点ほど確認されたそうです。


目に焼き付いて離れない山門のリアルな鬼瓦

長い歴史に加えて災害を受けずに歩んでこれたという奇跡が、今に貴重な秘宝を伝えてくれているのでしょう。まだまだこれからの調査が楽しみです。


第五十二番札所 太山寺(たいざんじ)
愛媛県松山市太山寺町1730