2016-04-08

明石寺の石州瓦!


愛媛南部の西予市宇和町にある四国霊場43番札所「明石寺」。

山間の自然豊かな地域のあるこのお寺は、愛媛では珍しい石州瓦が葺かれています。


石州瓦というのは、島根県の石見地方で生産されている粘土瓦のことで、赤褐色なのが特徴的。

凍てに強く水を通さない丈夫な瓦としても有名です。


階段を上ると、この立派な唐破風がお出迎えしてくれます。

石州瓦の印象も強いのですが、とにかく圧倒的な存在感のあるお寺です。造形がどうこうというより(もちろん重厚感のある建築も素晴らしいのですが)、積み重ねてきた歴史の厚みというか、場がつくり出す空気感がずしんと重いのです。


水板の部分には立派な龍と宝珠がいます。

瓦の先端には、愛嬌あふれる「大黒天」。小槌の表面にも宝珠が誂えてあります。
この顔の大きさがいいですね。(誰かに似てるな~)


こちらは「恵比寿天」でしょうか。右手から、うにゅーと伸びている針金にはきっと釣竿が付いていたんでしょうね。左手には鯛を抱えています。こちらも、お顔の苔の感じがたまりません。


お寺の名称は「めいせきじ」ですが、地元の人からは「あげいしさん」と呼ばれているそうです。

その昔、美しい女神が願をかけ深夜に大石を山の上まで運びあげていたという伝説があるとか。

ん…!? 女神?

そうここは明治維新まで神仏習合の寺院だったのです。


境内の裏手にはこんなものも。

まるで出雲大社にある「神様のお宿 十九社 」みたいです。もしかしたら全国の神様がお泊りに来たこともあったのかな…?

島根の石州瓦を葺いているのはその繋がり?なんて、勝手な妄想がどんどん膨らみました。


境内の奥に進めば進むほど苔が美しくなります。
ぜひ一度訪れてみてください。


●四国霊場 第43番札所 明石寺(めいせきじ)
愛媛県西予市宇和町明石201