松山市に隣接している東温市は、山々に囲まれた自然豊かなところです。
あまり観光が盛んではありませんが、松山市駅から車で約30分というわりと近い距離に、知る人ぞ知る穴場のスポットがたくさんあります。
そのひとつ「善城寺」。真言宗豊山派のお寺です。
井内という美しい棚田が広がる地域の山間に静かに佇んでおり、開山はなんと約1300年前だそう。
このお寺の本堂には、ある言い伝えがあります。
日照りが続いて苦しんでいたところに、四国を巡中していた弘法大師が久万山から来寺。
その状況を観るに堪えず、この本堂に籠って雨乞いの護摩を焚いたところ恵の雨が降り出した、そうなのです。
実際に、今もこの本堂で護摩焚きをしています。
今回、私も祈祷をしてきましたが、これが本当に凄いのです。
小さなお堂に、お経と太鼓の音が鳴り響き、一帯は炎の熱さと煙に包まれていきます。
こんなに近くで護摩焚きを体感できるところは、そうそうないと思います。
堂内は煙が充満し、どんどんと幻想的な雰囲気になっていきます。
護摩木を焚くことで煩悩を焼き払っていくのですが、その光景はまさに圧巻。
何やらからだ全体に響いてくるものがあります。
ちなみにご本尊は延命地蔵菩薩(行基作伝)、お前立ちは正面と左側に不動明王、右側に愛染明王がおりいずれも荘厳な雰囲気の美しい仏像です。
井内の山間部にある小さなお寺「善城寺」の護摩焚き、一度体験してみてください。
身が清められた思いがします。
善城寺
愛媛県東温市井内甲702
089-966-4649(護摩焚きは要電話予約)
※毎月28日が護摩焚き