JR伊予西条駅から20分ほど歩いた旧西条藩の陣屋跡にある「愛媛民藝館」。ここは四国で唯一の民藝館です。
蔵造りの建物や雰囲気は倉敷民藝館を思わせる佇まい。決して大きくはありませんが、コレクションの質が高く種類も豊富なので十分な見応えがあります。
1階の中央には郷土コーナーがあり、砥部焼の古い時代のものや今はもう作られていない愛媛の焼き物など貴重な資料が展示されています。(しかも館内すべて写真撮影可)
砥部焼と言っても時代や窯元によってそのスタイルは実にさまざま。特に「古砥部もの」は、今の砥部焼とはひと味違った風合いがあって本当に美しいです。
そしてこの館は、館長さんの存在も魅力のひとつ。
この日も、1人で受付をしていた館長さんがお番茶を出してくださり、テーブルを囲みながら愛媛の焼き物のことや四国の民藝のことなど色々と教えていただきました。
小さな質問に対しても、それに合う本を探し出してきて丁寧に答えてくださり、民藝を通したこうした出会いや発見に心が和みました。
ちなみにこの館の開館は昭和42年。当時の日本民藝協会会長をしていた大原総一郎さんの呼びかけで地元の有志や企業が立ち上がり、四国の民芸運動の拠点とすべく始まったそうです。
当時つくられた地図には「東豫予民藝館」という名前が。開館10年後、「東豫」から「愛媛」へと改名したそうです。
日本各地の民芸品はもちろんのこと、四国の個陶磁器や木工品、織物なども観ることができます。もちろん愛媛の伊予絣や姫ダルマもありますよ。
愛媛民藝館
愛媛県西条市明屋敷238-8
観覧料 200円(大人)
毎週月曜(祝日の場合は翌日)