「こうやって、手のひらでよじりながら編んでいくんだよ」
子供の頃、そうやって父が「しめ縄」の作り方を教えてくれましたことがありました。
それがとても難しかったので、家の神棚や神社などに飾られた「しめ縄」をじーっと眺めながら、『すごいなー、きれいだなー』と子供ながらに思ったものです。
大人になるにつれ、なんとなく遠ざかってしまっていた「しめ縄」。
お正月飾りとして買うことはあっても、それを作っている人のことや、それが作られた地域のことまで想いを馳せるには至っていませんでした。
でも、子供心に感動したあの時の記憶と感情を一瞬にして想い出させてくれる美しい「しめ縄」に愛媛で出会いました。
宇和わらぐろの会によって作られているものです。
特徴は、なんと言っても中央の宝結び。
新居浜の太鼓台と、相撲の化粧まわしの結びから着想を得たのだそう。
ユニークな発想と丁寧な作りが、しめ縄の魅力を一層惹き立てています。
新居浜の太鼓台
宇和わらぐろの会は、しめ縄意外にも鶴や亀など、愛らしいお正月飾りを手掛けています。
お盆を過ぎた頃からこの制作に取り掛かり、年末いっぱいまで農家の仕事と並行しながら作り続けているのだそう。
今年はこの美しいしめ縄を大切に飾り、ゆっくりと眺めたいと思います。
宇和わらぐろの会の上甲さん、そしてこれらのお正月飾りに出会えたことは、私にとってこの冬最大の出来事かもしれません。