2015-04-27

今日の屋根瓦


今日の屋根瓦は「飾り瓦」について。

こちらは松山市内の民家にあった「大黒様」。
大きな袋を背負い、打出小槌をもち、頭巾をかぶっています。
お腹と足元の米俵(?)には、桃のような文様「宝珠」が入っています。


こちらも松山ですが、違う地区の民家にあった「大黒様」。
同じ大黒様でもだいぶ印象が違います。


そしてこれは「寿老人」。
左手に長い杖を持ち、長寿の象徴である「鹿」を従えています。


これは松山の民家にあった「恵比寿天」。
恵比寿天は漁業の神様として親しまれており、左手に鯛をかかえているのが特徴です。


ちなみに、宇和島の小さな神社にあった「恵比寿天」はこんな感じ。
かかえるのに精一杯な鯛の大きさが、漁業の町・宇和島を象徴しています。


そして、飾り瓦でよく見られる「鍾馗様(しょうき・さま)」。
これは松山にある「円明寺」にいた鍾馗様。亀の上にいます。
飾り瓦の中では稀に見る迫力で、美しい造形に惹きつけられます。


顔の絶妙な表情も最高。瓦の劣化具合からだいぶ古いものだと思われますが、これをつくった瓦職人さんがいらしたら、ぜひお会いしたい。


そして、ここ円明寺で見つけた珍しい飾り瓦がコレ。
名称は分かりませんが、どうも山伏のような感じがします。


躍動感ある鶴の上に乗り、右手に持っているのは行司か、ホラ貝か。
左手にも何やら持っていた痕跡があります。
杖とか、数珠とか、山岳信仰に必要なものを持っていたのかもしれません。


この飾り瓦がなぜお寺にあるのか・・・、さまざまな妄想が膨らみます。


それぞれの願いが込められた飾り瓦は、神様やキャラクターを用いているので家人の想いが伝わりやすく、クスッと和まされたり、ドキッと驚かされたり、そして時に謎が深まったり―。色々な発見があります。