2016-02-13

藍を建てる


藍染師の佐竹さんが「藍を建てる」というので、お手伝いに行ってきました。

数日前に徳島から仕入れてきたという阿波藍(スクモ)。
九州でつくられたムシロに入っています。


これで一俵。
60キロくらいの重さがあります。

ムシロを開けると、つーんとした独特の刺激臭が!
これが藍です。


藍の建て方には色んな手法があり(化学薬品を使う方法もあり)ますが、佐竹さんはあくまでも自然発酵にこだわっているため古くから伝わる発酵建てを行います。

「水師がここまで大事に育てた藍やけん」 そう言いながら、嬉しそうに藍を見つめる佐竹さん。言葉の端々から、藍に対する愛情が伝わってきます。


自然発酵する為にはアルカリ度の高い灰汁が必要なので、独自のルートで仕入れた灰汁(かつおぶし工場の灰汁)を混ぜていきます。

足で踏んで混ぜ合わせる「うどん踏み」のような作業。


全体が平たくなったら中央にかき集めて、灰汁をかけ、また足で踏むという作業を黙々と数時間続けます。地道だけれど、藍の出来を左右する大切な作業です。

途中、刺激臭にやられ、日頃の運動不足で膝もカクカクしましたが、いい運動になりました。(笑)
そして数時間踏んでいると、次第に足の裏の感触が変わっていきます。


もっちりとした藍になったら、専用の甕に入れて保温し、さらに発酵を促します。

この時点で、すでにさっきの刺激臭から、藍のいい匂いに変化していました。
発酵って、ほんとに不思議…。

「藍って、生きてるんだなぁ~」と、改めて実感しました。


ちなみに、佐竹さんの「藍染め手ぬぐい」は、現在cafe休日や(東京・高井戸)で販売しています。

これから染めていくものについては、順次ご紹介していきますので、どうぞお楽しみに。



[過去のブログ] 
●佐竹さんの藍染 http://nowvillages.blogspot.jp/2015/12/blog-post_8.html