2015-08-21

菊間瓦の鬼師のこと


先日「菊間瓦」の産地、今治市菊間町へ行ってきました。

菊間瓦というのは、ここでつくられている屋根合瓦のこと。
多彩な造形と、いぶし銀が特徴的な瓦です。

かわら館(菊間町)


瀬戸内海に面したこの町には、多くの瓦関連工場が軒を連ねており独特な雰囲気が漂っています。



今回お話を聞いたのは、この道60年の鬼師・吉井昭二さん(吉井鬼瓦製造所)。
鬼師とは、瓦のなかでも鬼瓦や飾り瓦など、難易度の高い造形を手がける職人さんのこと。

この時は、ちょうど鬼瓦や飾り瓦(鷹)を制作をしていました。


鬼師はゼロから原型をつくりますが、古くなったり劣化した瓦を修復(復元)させる仕事も少なくありません。復元の依頼を受けた場合は、数十年前の職人がつくった手の癖までを、丁寧に復元していきます。

他の職人のかたちを復元させるのは非常に難しいことですが、同時に先人たちの技を盗めるチャンスでもあります。

吉井さんは、「先輩の仕事を学べる貴重な機会やけん」と、お寺の屋根から降ろしてきたという飾り瓦を見つめながら、しみじみと話してくれました。


海が見える窓際の作業場


吉井鬼瓦製造所では、原型制作から焼きに至るまで一連の工程をすべて担っています。

そのため工房には、粘土や石膏型、制作途中の原型、焼き上がったものなど、瓦に関するすべてのものが置かれています。

瓦好きの私は、終始、興奮状態。鬼師と話せるだけでも光栄なのに、色々と丁寧に説明してくださり感激の1日でした。


吉井さんについては、ホームページのコラム「会いたいひと」で詳しくご紹介したいと思います。どうぞお楽しみに。



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