2016-06-20

本をすすめてくれる人たち


自慢ではありませんが…、本を読むのがとても遅いです。

日頃から「本を読むぞー」という強い意思はあまりなく、仕事や生活のちょっとした合間を見つけて読むので、つまみ食いのようなちょこちょこ読み(?)がわたしの主な読み方。

十数ページ読んだかと思えば、その後なが~い保温期間に突入し、再び読み始めようと思った頃には内容をほぼ忘れていて、また最初から読み返したり。

愛読家とはほど遠い読み方をしているのですが、なぜかわたしのまわりには本好きの人が多く、よく本をすすめてもらいます。

これは以前、愛媛に遊びに来てくれた友人が、「愛媛の牛鬼とかが登場してきて、愛媛を思い出すから」という嬉しい手紙を添えて送ってきてくれた本。

獅子文六さんの「てんやわんや」。


戦後、東京に暮らす気の小さい主人公がひょんなことから愛媛の宇和島に身を隠して生活するというお話ですが、愛媛の人のことや暮らぶりなどがよそ者視点でユーモアたっぷりに描かれているので、わたしでもスイスイ読めました。

登場人物たちの方言も勉強になるし、物語に出てくる猪の子の山家料理も気になるし。(本当にあるのかな~?) 愛媛移住者にはぜひ読んで欲しいおすすめの一冊です。



そしてこちらは、埼玉に住む友人が送ってきてくれた神谷美恵子さんの「こころの旅」。


最初、手にとった時は、「むむ…、なんかむずかしそうだぞ…」と、思ったのですが、いざ読み始めてみると意外や意外。著者の言葉ひとつひとつが、からだの奥にストンと落ちていくような感覚があって、今ではすっかり読み入っています。

「人生とは生きる本人にとって何よりもまずこころの旅なのである」という著者の言葉どおり、この本を開くと自然と「わたし」と向き合うことができるんです。

自分では到底選ばない(であろう)本との出会いが、わたしのこころをこんなにも動かしているとは…。本って、出会いって、不思議です。



そして、これは日本文学好きの夫が、「これ、読んでみたら?」と、貸してくれた遠藤周作さんの「深い河(ディープリバー)」。


「遠藤周作かぁ、読んだことないけど…」と、心のなかでボヤきながらしぶしぶ読み始めてみたのですが、これもまた意外に読みやすく家事の合間にちょこちょこ読んでは、物語の世界に引きこまれています。

何事も、先入観を持ってはいけませんね。(笑)


「こころの旅」も「深い河(ディープリバー)」もまだ読み途中ですが(「てんやわんや」は完読!)、これからも気長に読み進めたいと思います。


本から得る知識や読書時間はもちろんですが、本を介して繋がるこうした人たちとのやりとりが「好きなんだな~」と改めて思う今日この頃です。